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「秋の花見」に御萩と、お餅のようなチーズを楽しむ

みなさま こんにちは。
十月に入り、秋も深まって参りました。
 
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秋の花見」をご存じですか。
 
「花見」というと、春の桜を見ると思います。
しかし、万葉の時代の「花見」は、春の「梅」と、秋の「萩」でした。
 
202310785612.jpeg梅の花見
 202310785539.jpeg萩の花見
 
万葉集には舒明(じょめい)天皇即位(629年)から759年までの131年間の歌が収められています。
    ※舒明天皇は天智天皇や天武天皇の父にあたります。
 
当時の梅は、中国から輸入されたばかりの珍しい植物で、そのほとんどは貴族の庭園に植えられていました。ですから、梅の花見は限られた貴族達だけの花見だったと考えられます。
 
これに対して、萩は山野に自生する植物ですから、萩の花見は貴族の庭園ではなく、誰もが楽しめる野外での花見だったと想像できます。
ですから、多くの人にとって「花見」は「萩」だったと考えられます。
 
秋風は 涼しくなりぬ 馬並(な)めて いざ野に行かな 萩の花見に
作者未詳 (巻10・2103)
(秋の風が涼しくなった 馬を乗って さあ 野に行こう 萩の花を見に)
 
万葉集にはたくさんの植物が詠み込まれていますが、その中で一番多いのは「萩」です。
万葉時代に一番愛されていた花なのかも知れませんね。
花の色は赤紫色の紅萩が多いですが、白色の白萩もよく見掛けます。
清楚で色鮮やかな花。
 
20231078586.jpeg白色の白萩
 
202310785933.jpeg赤紫色の紅萩
 
秋が深まるにつれて移り変わる草花の彩りを楽しみましょう。
 
 
 
万葉集には160種類以上の植物が登場するそうですが、その中で登場回数が最も多いのが萩で、その回数は142回だそうです。
 
山上憶良の詠んだ有名な秋の七草の中にも「萩」は登場しますね。
萩=ヤマハギ、尾花=ススキ、葛=クズ、なでしこ=カワラナデシコ、女郎花=オミナエシ、藤=フジバカマ、朝顔=キキョウ
 
20231079017.jpeg秋の七草
 
「萩」というと、おはぎ「御萩」があります。
煮た小豆の皮の姿を残し、餡に包まれた姿が、萩の花が咲き乱れる姿に似ているからだそうです。
萩の餅と同じなのに「ぼた餅」ともいいますね。
これは牡丹の花に似ていることから、名づけられています。
両者の区別は、春には牡丹に見立ててぼた餅、秋には萩の花に見立てておはぎ。
芯が糯米(もちごめ)主体であればぼた餅、うるち米主体であればおはぎ。
表面の餡が漉(こ)し餡ならぼた餅、小倉餡ならおはぎ、なんだそうです。
 
2023107923.png御萩
 
秋に御萩と共にお食事を楽しむしつらいをご紹介します。
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さて、お餅の話をしているとお腹がすいてきませんか。
今日はお餅のようなチーズをご紹介します。
 
北海道十勝幕別町の新鮮で良質な生乳を原料に、熟成2週間でつくられる「大地のほっぺ」です。深いコクと香りのよい味わい。滑らかな舌触りに、あっさりとしながらもコクと風味をじゅうぶんに味わっていただけるチーズです。
 
 
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「いつものテーブルにチーズを」をキャッチフレーズにしている「チーズ工房NEEDS」がつくっています。
ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテスト、Japan Cheese Awardなど名だたるコンテストで高い評価を受けるチーズを作り続けている工房です。
北海道・東京・沖縄・シンガポールを舞台に、平成という時代の変遷とともに描かれた、壮大な愛の物語、映画『糸』のロケ地にもなりました。
 
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「大地のほっぺ」はフランスチーズ「ルブロッション・ド・サヴォア」のような、ソフトタイプです。
皮がややしっかりしていて、中身はもちもちしています。
味わいは、優しいミルクと穏やかな塩味があり、とてもマイルド。
バゲットはもちろん、甘みのあるカヌレなどと合わせて楽しめます。
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赤ワインの名産地ボルドーの伝統的な焼き菓子「カヌレ・ド・ボルドー(Cannelé de Bordeaux)」。
「カヌレ」は「溝のついた」というフランス語。縦溝が入った釣り鐘状の見た目からこの名前がついています。
 
実りの秋、3種類のブドウと合わせて、華やかなチーズの盛り付けになりました。
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もちもちしたチーズと、もっちりカヌレのペアリングもお勧めです♥
 
 
 
毎月、月末に「旬のチーズと季節のしつらい」を学ぶレッスンを行っています。
美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて、北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。
 
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食の秋、文化の秋です。
10月14日からはじまる「いしかわ百万石文化祭」の応援事業として、10月31日から11月12日まで石川国際交流サロンで「第6回 季にあひたる 和のしつらい洋のしつらい」作品展を開催します。
今回のテーマは「創る」です。
 
CREATION, NOT CRITICIZM
 
新しいものを生み出すこと、創造性を重視し、批評や否定ではなく、自由な想像力と発想力で、アイデアの実現をすることに焦点を当てていきます。
 
大正末期に建てられた日本家屋に、和と洋のしつらいをし、皆さまをお迎えします。
ぜひお出かけください。
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11月13日には、チーズプロフェッショナル協会北陸幹事会主催のイベント
「11.13 金沢 工芸とチーズ 第三弾!」を開催します。
アペリティフタイムに、武蔵が辻にオープンしたばかりの『鏑木商舗 武蔵店』にお集まりください。
入場参加料は会員は1500円。一般2000円。
乾杯用のアペリティフドリンクとアペタイザーチーズが付きます。
おかわりチーズや、おかわりドンリンク、クラフトビール、ジェラートは、500円チケットを購入して、気軽にお楽しみいただける企画です。黄昏時の17時半から19時半の間。入退室自由です。チーズについてのミニレクチャーも行います。是非、ご参加ください。
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次回の放送でも、季節の移り変わりと、チーズの楽しみ方をこの番組でご紹介してまいります。
 
次回この時間にお耳にかかれますこと楽しみにしております。
 
 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「モリラジ!」出演)】

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