MRO北陸放送
「夏が、終わろうとしていた」のフレーズと共に味わうチーズ『ボーフォール・エテ BEAUFORT ETE AOC』
殊のほか、暑い夏でしたね。
ようやく少し暑さが和らいでまいりました。
こんな時期に、ふと
「夏が、終わろうとしていた」というフレーズが浮かびます。
早世(そうせい)の作家、森瑤子(もりようこ)デビュー作、「情事」の冒頭の一行です。
彼女の小説における「夏」は、人生の輝きを表現しています。
小説の主人公は、自分の最も輝いている「今」が
もうすぐ過ぎていく寂しさをこの一行に込めたのでしょう。
女性の新しい生き方を主題に、新しい書き方で世の中に挑戦し続けた森瑤子。
今こそあなたの生き方を聞きたいものです。
季(とき)にあひたる の季(とき)は
「晩夏」から「初秋」へと移っていきます。
空の色が濃くなり、うろこ雲が広がります。
近江町市場には秋の食材が並び始めました。
さて、今日は、去りゆく夏と共に味わっていただきたいチーズ『ボーフォール・エテ』をご紹介します。
ボーフォールは、フランスを代表するアルプスの山岳地帯のサヴォア地方で造られる、
平均40~45kgもある、とても大きな太鼓型のチーズです。
側面は、内側に湾曲しているのが特徴で、
その昔、側面に紐をくくり付けて、馬に乗せて運んだことから、この形になったと言われています。
ボーフォール・エテの「エテ」とは、フランス語で「夏」という意味です。
ボーフォール・エテは、短い夏のアルプスで、香り豊かな高山植物を食んだ(はんだ)牛のミルクから
造られる、非常に香りが豊かで、上品な味わいのチーズです。
かつて、フランスの美食家ブリア・サヴァランが、このチーズを「山のプリンス」と賞賛したという
ストーリーがあります。
ほっくりとした栗を思わせる芳醇な味わいで、辛口ワインはもちろん、日本酒やお茶のお供にお勧めです。
石川県オリジナル酒米品種「百万石乃白」を使って作られる日本酒や、献上加賀坊茶と共に、夏のエネルギーがみなぎるチーズのプリンス「ボーフォール・エテ」をお楽しみください。
「九谷焼の器(松本佐一作)とボーフォール・エテ」さまざまなアレンジで盛り付けを楽しめます。
毎月、月末に「旬のチーズと季節のしつらい」を学ぶレッスンを行っています。
美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて、北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。
しつらいに興味をもっていらっしゃる方に、コーディネートの作品展のお知らせがあります。
現在、金沢市デジタル工芸展―工芸で彩る食の空間コーディネート展の画像作品を募集しています。
主催は金沢市工芸協会と金沢市。応募締め切りは9月9日17時必着。デジタル工芸展のWEBサイトより応募くださいませ。私は作品のモデルとなるしつらいを作らせていただいております。
受賞作品は、10月9日[土]~10日[日]に開催される「KOGEIフェスタ!」の会場「しいのき迎賓館」にて、実際に発表いただけます。
また、「KOGEIフェスタ!」に際し、工芸を用いてチーズを楽しむイベント・セミナーを開催します。
実際に工芸品を手に取って触れていただき、ぬくもりを確かめながら、さまざまなタイプのチーズを楽しみます。
地元の食材を用いてアレンジする、金沢らしいチーズ料理「チーズアシェット金澤好み」を、ワークショップ形式で一緒に作りながら召しあがっていただきます。
さらに、スペシャルゲストに、チーズプロフェッショナル協会の本間るみ子会長を迎え、チーズにまつわるお話をしていただきます。
文化の秋、学びの秋、食欲の秋。チーズとともに盛りだくさんの美味しく楽しいひと時を過ごしましょう。
NPO 法人チーズプロフェッショナル協会のWEBサイトからお申し込みいただけます。
【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】