『フロマージュド美瑛』チーズで「吹き寄せ」を楽しむ
2022年10月22日(土)
2022年は、あと2か月少し。 街は、秋の装いです。
この季節になると、干菓子(おひがし)の「吹き寄せ」を楽しみます。
「富貴寄せ(ふきよせ)」とも書き、縁起の良い日本のお菓子です。
小さな 小さな 紅葉の葉。 黄色と赤があります。
小さな 銀杏の葉っぱは、黄色に、緑が混じっています。
白や薄緑の巻きせんべいは、ウエハースのように、サクサクとして歯ごたえが楽しく、風に吹き寄せられた木の葉たちの、儚さ(はかなさ)に似ています。
生姜味の、小さなせんべいに、砂糖をまぶしたものは、けやき落ち葉が、くるまった形でしょうか。
愛らしいお干菓子の数々は、風で吹き寄せられた、木の葉を模った(かたどった)ものです
秋から初冬にかけての季節感を、こんな小さな干菓子にとじこめ、「吹き寄せ」なんて、愛らしい名前を付けて楽しむ、日本の美意識。
今年もそんな季節を迎えています。
さて、今日は、チーズで「吹き寄せ」を作ってまいりました。
黄色、オレンジ、アイボリー、ブラウン、など、チーズにも様々な彩りがあります。
色の違う4種類のチーズを、クッキー型で形を抜いて、作りました。
自然豊かな草花で育った牛のミルクから造られた、黄色が美しい、フランスを代表するコンテチーズ。
ベニノキの種子から抽出される、アナト―色素による鮮やかなオレンジ色のミモレット。
こちらもフランス産で「ミ=半分、モレ=やわらかい」の意味があります。
チーズの塊(かたまり)を意味する「トム」から、名付けられた、アイボリー色のトーマ・シラヌカ。
こちらは北海道「チーズ工房 白糠酪恵舎(しらぬからっけいしゃ)」で造られています。
そしてキャラメルのような風味が特徴の、見た目がそのままチーズ名のブラウンチーズ。
こちらは佐賀県の「ナカシマファーム」で造られています。
先日、10月15日と16日、東京・新宿で2年に1度のチーズの祭典「Cheese Fun! Fan! Fun!」が開催されました。そして、国産ナチュラルチーズのコンクール「Japan Cheese Award 2022」が行われました。
私は審査員としてチーズの品質評価を行いました。
2022年は、109のチーズ工房がエントリーし、311のチーズが、種類の違いによる23のカテゴリーごとに、審査されました。
グランプリに輝いたのは、なんと、同点で2つあります。
・美瑛放牧酪農場の『フロマージュド美瑛(びえい)』 (コンテチーズを造るモンベリアード牛のミルクで造られています)
・タカナシ乳業の『Brise de Mer Camembert』 (「Brise de mer」はフランス語で「潮風」 ノルマンディ牛から造られています)
ブロンズ、シルバー、ゴールドを受賞したチーズは「Japan Cheese Award」のWEBサイトで発表されています。
日本にはすばらしい国産チーズが沢山あります。チーズショップや旅先でみつけたら、ぜひ味わっていただきたいです。
毎月、月末に「旬のチーズと季節のしつらい」を学ぶレッスンを行っています。
美味しく、美しく、チーズをアレンジする技術を学びます。
食を通じて、北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートも実践しています。
レッスンでは、チーズカットのデモンストレーションをさせていただいた後、受講者のお一人おひとりが、
ご自身の感性でカットしたチーズを盛り付けます。
盛り付けたチーズは、試食をしていただき、お持ち帰りも可能です。
来月は、先ほどの「Japan Cheese Award 2022」でグランプリを受賞した
「フロマージュド美瑛」と「Brise de Mer Camembert 」をご用意します。
レッスンに参加をご希望の方は、WEBサイトからご連絡ください。
また、ボジョレヌーヴォーの解禁日11月17日[木]に、金沢初のチーズ工房「金沢チーズプラッター」で、
チーズパーティを開催します。「金沢チーズプラッター」のチーズを使った軽食とドリンクを楽しんでいただくイベントです。
くわしくは、チーズプロフェッショナル協会のサイトでご確認いただけます。
ご参加のお申込みも受け付けています。
https://www.cheese-professional.com/article/seminarevent/detail.php?KIJI_ID=1845
【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】