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田の神様の依り代のもと『さくら』と『さくらアフィネ』を楽しむ

2023年3月25日(土)

みなさまこんにちわ。
 
冬の寒さがすっかりやわらぎ、いよいよ春。桜が開花し始め、来週はお花見が楽しみですね。
 
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お花見の起源をさかのぼれば、田の神の信仰にたどり着きます。
 
サクラの「サ」は、サナエ(早苗)の「サ」、サナボリの「サ」と、いわれ、田の神を意味します。
サクラの「クラ」は、神が宿るところ、つまり「神の依り代(よりしろ)」を意味します。
 
冬の間、山に住んでいた山の神は、春になると里に降りてきて、桜の木に宿(やど)ります。
稲の種蒔き(たねまき)の準備をする頃になると、その合図に、桜の花を咲かせます。
 
人々は神様を歓迎して桜の下で酒宴を開き、料理とお酒でもてなし、その年の豊作と無病息災をお願いしました。
 
因みに、お酒の「さ」「け」も、「さ」は神様を表し、「け」は食事を表します。
お味噌汁のCMで「朝餉(あさげ)」「夕餉(ゆうげ)」と言いますが、「け」には、「食事」の意味があります。
 
田植が始まると、神様は田んぼに移り、田の神となり、農事を見守ります。
無事に田植えが終わるのを見届けると、また山に帰って行くのですが、人々は、今度は『さなぼり』という、田植え終了の祝宴(しゅくえん)を開き、山にのぼる神様を見送りました。
 
「お花見」は、最初は、素朴な農耕儀式でしたが、やがて集落の人々が集まり、みんなで豊作を祈るための、祝いの祭りへと変わっていきました。咲き乱れる幻想的な桜を見上げ、誰もが心を和ましたのでしょう。
 
桜の下で飲んだり食べたりすることには、「楽しい」以外にも、神様への感謝やおもてなしの気持ちも、込められていたのですね。
 
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桜の木の下でお花見を楽しむきっかけの一つとなったのが、歴史上有名な「醍醐(だいご)の花見」です。
 
1598年の春に豊臣秀吉が京都の醍醐寺において催した宴です。
「花見がしたい!」と思い立った秀吉の号令で、700本の桜を畿内(きない)から醍醐寺(だいごじ)に集めて移植し、三宝院(さんぽういん)に庭園をつくり、盛大な宴を開きました。
 
招待したのは、北政所(きたのまんどころ)、淀君(よどぎみ)、三の丸(さんのまる)など女房衆約1300人。
女性には全員に3枚ずつ打掛(うちかけ)が贈られました。
打掛というと和風ドレスのようなものですが、普通は一生に一度のもの。
それをお色直しも考えて、全員に3枚ずつ用意したのですから、当時、西陣が全部なくなったといわれています。
醍醐の山々には茶屋が設けられ、たくさんの女房衆(にょうぼうしゅ)が仮装行列を行いました。
 
今日の世の中が少し落ち着き、桜を愛でて友人たちとお食事が楽しめるようになることを願っています。
 
さて、今日の旬のチーズは、北海道の共働学舎新得農場のチーズ『さくら』と、その『さくら』をさらに2週間以上熟成させた『さくらのアフィネ』をお持ちしました。
 
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「アフィネ」とはフランス語で熟成の意味。通常の「さくら」は10日間熟成で出荷するのですが、さらに2週間以上熟成することで、酸味がまろやかに、深みのあるコクとなめらかな舌触りのチーズに仕上げています。
共働学舎新得農場」は、北海道日高山脈の裾野に広がる十勝平野、新得町(しんとくちょう)にあります。
ここで造られる「さくら」は、桜の花の塩漬けをあしらった、白くてとても可愛い、牛乳製のチーズです。
ヨーロッパのチーズコンクールで何度も賞に輝いた、評価の高いチーズです
 
ほんのりと桜の風味が香るチーズ。お花見のシーンを演出してくれますし、熟成違いを味わいながら、日本茶や抹茶、ロゼワインと合わせてお楽しみいただきたいです。
 
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毎月、月末に「旬のチーズと季節のしつらい」を学ぶレッスンを行っています。
美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて、北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。
2か月に一度、オンラインレッスンも開催しています。
自宅にいながら、インターネットを利用して、チーズとおもてなし力をアップしていただけます。
チーズの盛り付け方や、おもてなしの工夫をお伝えしております。
 
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6月18日、日曜日14時から16時。工芸とチーズを楽しみながら、九谷焼とチーズ料理を学ぶセミナーを「ITビジネスプラザ武蔵」で開催します。
実際に九谷焼の器にチーズを盛り付けたり、盛り付ける際、チーズ専用のナイフを使ってカットするポイントをお伝えします。
料理研究家による、おもてなしに取り入れたいチーズ料理を、一緒に作ります。
美味しいお飲み物と共に、チーズをご試食をいただきます。
チーズ販売員による、賢いチーズの選び方も、特別にお伝えします。
詳しくはチーズプロフェッショナル協会のWEBページでご案内いたします。
 
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素敵なお花見をお過ごしあそばされますように。
 
 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「(谷川恵一 そろそろ。(旧モリラジ!)」出演)】

 
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