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「夏が、終わろうとしていた」のフレーズと共に味わうチーズ

殊のほか、暑い夏でしたね。
ようやく少し暑さが和らいでまいりました。
 
こんな時期に、ふと
夏が、終わろうとしていた」というフレーズが浮かびます。
早世(そうせい)の作家、森瑤子(もりようこ)デビュー作、「情事」の冒頭の一行です。
 
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彼女の小説における「夏」は、人生の輝きを表現しています。
小説の主人公は、自分の最も輝いている「今」が
もうすぐ過ぎていく寂しさをこの一行に込めたのでしょう。
 
女性の新しい生き方を主題に、新しい書き方で世の中に挑戦し続けた森瑤子。
今こそあなたの生き方を聞きたいものです。
 
季(とき)にあひたる の季(とき)は
「晩夏」から「初秋」へと移っていきます。
空の色が濃くなり、うろこ雲が広がります。
 
近江町市場には秋の食材が並び始めました。
 
 
 
さて、今日は、去りゆく夏と共に味わっていただきたいチーズ「ボーフォール・エテ」をご紹介します。
 
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ボーフォールは、フランスを代表するアルプスの山岳地帯のサヴォア地方で造られる、
平均40~45kgもある、とても大きな太鼓型のチーズです。
 
側面は、内側に湾曲しているのが特徴で、
その昔、側面に紐をくくり付けて、馬に乗せて運んだことから、この形になったと言われています。
 
ボーフォール・エテの「エテ」とは、フランス語で「」という意味です。
 
ボーフォール・エテは、短い夏のアルプスで、香り豊かな高山植物を食んだ(はんだ)牛のミルクから
造られる、非常に香りが豊かで、上品な味わいのチーズです。
 
かつて、フランスの美食家ブリア・サヴァランが、このチーズを「山のプリンス」と賞賛したという
ストーリーがあります。
 
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ほっくりとした栗を思わせる芳醇な味わいで、辛口ワインはもちろん、日本酒やお茶のお供にお勧めです。
石川県オリジナル酒米品種「百万石乃白」を使って作られる日本酒や、献上加賀坊茶と共に、夏のエネルギーがみなぎるチーズのプリンス「ボーフォール・エテ」をお楽しみください。
 
 
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「九谷焼の器(松本佐一作)とボーフォール・エテ」さまざまなアレンジで盛り付けを楽しめます。
 
 
 
毎月、月末に「旬のチーズと季節のしつらい」を学ぶレッスンを行っています。
美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて、北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。
レッスンのお問い合わせは、メール、またはお問い合わせフォーム、または北國新聞文化センター(TEL:076-260-3535)までよろしくお願いいたします。
 
しつらいに興味をもっていらっしゃる方に、コーディネートの作品展のお知らせがあります。
現在、金沢市デジタル工芸展―工芸で彩る食の空間コーディネート展の画像作品を募集しています。
主催は金沢市工芸協会と金沢市。応募締め切りは9月9日17時必着。デジタル工芸展のWEBサイトより応募くださいませ。私は作品のモデルとなるしつらいを作らせていただいております。
受賞作品は、10月9日[土]~10日[日]に開催される「KOGEIフェスタ!」の会場「しいのき迎賓館」にて、実際に発表いただけます。
 
 
また、「KOGEIフェスタ!」に際し、工芸を用いてチーズを楽しむイベント・セミナーを開催します。
実際に工芸品を手に取って触れていただき、ぬくもりを確かめながら、さまざまなタイプのチーズを楽しみます。
地元の食材を用いてアレンジする、金沢らしいチーズ料理「チーズアシェット金澤好み」を、ワークショップ形式で一緒に作りながら召しあがっていただきます。
さらに、スペシャルゲストに、チーズプロフェッショナル協会の本間るみ子会長を迎え、チーズにまつわるお話をしていただきます。
 
文化の秋、学びの秋、食欲の秋。チーズとともに盛りだくさんの美味しく楽しいひと時を過ごしましょう。
 
 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「モリラジ!」出演)】

「夏の涼」を感じるチーズとしつらい

金沢は連日30度を超える暑さです。

みなさまはどのように、暑さ対策をなさっていらっしゃいますでしょうか。

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日本の人たちは、五感で「夏の涼」を感じる、様々な知恵で、工夫をしてきました。

見た目にも涼しげな「打ち水」。

音で涼を味わう「風鈴」。

蚊取り線香の煙をくゆらせる「蚊遣り豚」。

肌触りがシャリシャリした「紗(しゃ)」や、「上布」や、透明感のある「絽(ろ)」は涼しげな夏の着物です。

「金魚鉢」、「扇子」や「団扇」、「線香花火」の小さな輝きは見た目に涼やかです。

麦茶や水出し煎茶、きりりと冷えた日本酒。夏の飲み物を入れたグラスの中でコロンと転がる氷の音。

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虫の音に涼を求める日本人の感性が生み出した工芸品として、夏の虫かごがあります。

夏野菜や旬の果物は、ほとんどが体を冷やしてくれる涼寒性食物です。

 

さて、今日ご紹介する「旬のチーズ」は、長野県のチーズ工房「アトリエ・ド・フロマージュ」が造る、

ブルーチーズ「翡翠(ひすい)」です。美しい名前がついています。

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旬の「スイカ」を合わせ、スティックサンドイッチにしてお持ちしました。

 

北陸新幹線の開業により、長野県はとても身近になりました。

チーズ工房のある東御市(とうみし)は「日本のブルゴーニュ」と言われるほど

チーズの本場・フランスに似た風土を持っています。

 

チーズ職人の塩川和史さんは、ヨーロッパに負けない本格的ブルーチーズを目指し研究を重ねてきました。

ブルーチーズは、国内外の大会で、数々の最高賞を受賞しています。青カビタイプのチーズ特有の刺激と、香気に加えてクリーミーで独特な甘さがあり、特徴のある風味です。口の中で滑らかに溶けていくブルーチーズの塩味がフレッシュな果物と相まって、夏の暑さを吹き飛ばしてくれます。

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冷酒や冷えたビールはもちろん、ワインやスパークリングウォーターに、冷凍した果物を氷代わりに浮かべたドリンクと共に楽しんでみてはいかがでしょう。

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毎月、月末に「旬のチーズと季節のしつらい」を学ぶレッスンを行っています。

美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて、北陸・金沢の暮らしのしつらい、

テーブルコーディネートを実践しています。

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また、8月27日14時30分から、オンラインによる「チーズ文化祭」イベントを開催いたします。

テーマは「チーズアシェット金沢好み」です。

北陸の食材をご紹介しつつ、アレンジや盛り付けを楽しんでいただけるよう説明します。

あわせて、チーズと金沢の食材、日本酒等の詰め合わせセットを販売いたします。

こちらをご利用いただければ、オンラインイベントに参加しながら、一緒にチーズアシェットを作れます。

NPO 法人チーズプロフェッショナル協会のWEBサイトからお申し込みいただけます。

8.27 online チーズアシェット金沢好み 季節のおもてなしひと工夫
https://www.cheese-professional.com/article/seminarevent/detail.php?KIJI_ID=1787

 

もう一つお知らせがございます。

現在、金沢市デジタル工芸展―工芸で彩る食の空間コーディネート展の画像作品を募集しています。

主催は金沢市工芸協会と金沢市。応募締め切りは9月9日17時必着。デジタル工芸展のWEBサイトより応募くださいませ。モデルとなるしつらいを作らせていただいております。工芸品を、日々の食卓に一つからでも取り入れてください。日本文化を知り、匠の技による温もりを感じます。丁寧な暮らし、家族との大切なひとときを過ごされますように。

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【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「モリラジ!」出演)】

「紫陽花の季節」の冷たいフレッシュチーズとしつらい

紫陽花が、美しい季節となりました。
雨の中でも、色彩の輝きに満ちた紫陽花を眺めると、ひととき蒸し暑さも忘れられそうです。
 
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そして、ヨーロッパに日本の文化を広めたことで有名な、プラントハンター「シーボルト」と、彼が愛した、日本人の妻「オタキさん」の物語を思い出します。
時は大航海時代。自国の富の為に資源価値のある植物を採取してくる任務を帯び1823年8月11日 (文政6年7月6日)に来日します。
到着した長崎で、シーボルトは「楠本たき」と恋に落ちます。
彼は彼女を「お滝さん=オタクサ」と呼んでいました。
 
やがてシーボルトは、はじめてみる美しい花(アジサイ)に出会い、その花に愛する人の名をとり 「ヒドランゲア・オタクサ」と名づけます。のちに「シーボルト事件」が起き、彼は国外追放となります。
二人は再び出会うことは叶いませんでしたが、お滝さんを決して忘れなかったシーボルトは、日本学の研究の中で、お滝さんの面影を留めたいという思いから
たくさんの日本の植物をオランダに持ち帰り、それを育てました。
日本滞在中に、多くの植物の採取や調査に力を注ぎ、美しい紫陽花を世界に紹介しました。
 
悲恋の舞台となった長崎の人々は、シーボルトとお滝さんの愛に共感し、敬愛をこめて紫陽花のことを今日でも「オタクサ」と呼ぶのだそうです。
 
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さて、今日は「旬のチーズ」夏の第一弾として「フレッシュチーズのモッツァレラ」をお持ちしました。
蒸し暑い日には冷たいフレッシュチーズをおすすめします。フレッシュチーズは、熟成をさせません。
新鮮でジューシーなミルクの甘味と、さっぱりとした食感を楽しみます。
イタリアには原産地名保護制度に認められた「モッツァレラ・ディ・ブーファラ・カンパーニャ」という水牛のミルクで造られたモッツァレラがあります。
今回お持ちしたのは、北海道の牛のミルクで造られた、優しい味のモッツァレラです。
 
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ほのかな甘みと酸味があり、鼻を近づけるとミルクのやさしい香りがします。
もちもちとした弾力のある歯ごたえが特徴で、加熱すると弾力を保ったまま、伸びます。
トマトや加熱した夏野菜との相性もよく、そのままで楽しむのはもちろん、バジルやオリーブオイルで風味をつけてもおいしいです。
お醤油とおかかやワサビと共に、冷ややっこのようにしていただくのも、日本ならではの味わい方と思います。
食欲がなくなる夏こそ、栄養バランスが優れている食材としてフレッシュチーズをお薦めします。
 
 
毎月、月末に「旬のチーズと季節のしつらい」を学ぶレッスンを行っています。
美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて、北陸・金沢の暮らしのしつらい、
テーブルコーディネートを実践しています。
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また、
8月6日、7日に、「かなざわ・まち博2022」の屋台大学を開催いたします。
6日は「和魂洋才の夕べ 加賀料理とワイン」がテーマ。夕刻の18時から20時。
広大な「辻家庭園」の緑を愛でながら、ワインの知識、嗜み方、選び方、保存方法、味わいの違いを学びます。
素敵な会場で、加賀料理とワインを楽しんでいただきます。
7日は「和魂洋才のディジュネ フレンチと日本酒」がテーマ。昼下がりの12時から14時。
ひがし茶屋街の「東山ロベール・デュマ」にて、北陸の食材を使ったフランス料理に、旬の日本酒を合わせます。
日本酒の知識、嗜み方、選び方、保存方法、味わいの違いについて学びます。
募集は明日26日の北國新聞に掲載されます。ぜひチェックしていただけましたらと願っております。
 
申込先(かなざわ・まち博2022 Webサイト):http://www.machihaku.com/entry.html
 
 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「モリラジ!」出演)】

「和む」ハート形のチーズとしつらい

太陽の光が日ごとに強くなり、季節は新緑から万緑へと移っていきます。

5月24日から「季(とき)にあひたる 和のしつらい洋のしつらい作品展」を、

広坂の石川国際交流サロンで開催しています。

 

大正末期の建物は、夏になると、部屋の仕切りが、簀戸(すど)に変わります。

簀戸(すど)は、風通しが良く、部屋の中からは簀戸越しに、庭を見ることができます。

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今回、第五回目の開催となります。

テーマは「なごむ」です。平和の「和」に、おくりがな「む」と書きます。

日本を表現する「和」には「なごやかなこと」「おだやかなこと」「仲よくすること」

の意味があります

しかし連日のCOVID-19 crisisやロシアのウクライナ軍事侵攻のニュースです。

「和(なご)む」からは ほど遠い映像に 心が痛みます。

世界中の人々が望む「平和」や「調和」の実現を祈り、心をこめて 四つの部屋をしつらいました。

 

蔵には、優しく和むディナーテーブル。

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和室には、源氏物語を紐解きながら「平和」や「幸福」などのカラーイメージを、

王朝の衣装のように「かさねの色目」で表現しています。

 

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奥の和室は、和の涼やかさを楽しむしつらい。

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四つ目の和室は、仲良く、穏やかに過ごせるように「花咲く明日へ」をイメージしています。

「花咲く明日へ」のテーブルには、ガラスのチーズボードを用意しました。

そのテーブルで、今日ご紹介する「ハート型の白カビチーズ」をいただきましょう。

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ハート型の白カビチーズは、熟成が難しいのです。

ハート型のチーズとして有名なものに、フランスの「ヌーシャテル」があります。

14世紀に始まった百年戦争の最中、フランス娘がイングランド軍の兵士に送ったという逸話があります。

今日ご紹介する、ハート型のチーズは、栃木県那須高原の白カビチーズです。

牛乳製で食べやすいチーズ。そのまま召し上がっていただくのはもちろん、少し酸味のあるジャムをのせていただいても美味しくお召し上がりいただけます。

世の中が、早く落ち着き、穏やかに、仲良く人々が暮らしていけることを祈って、ハート型のチーズを楽しみましょう。

 

 

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【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「モリラジ!」出演)】

「柏や栗の葉で包まれたチーズ」としつらい

みなさま こんにちは。心待ちにしていた春の訪れ。
 
陽差しがあたたかくうれしい季節です。
 
木々の枝や葉を隙間を陽の光が漏れるように地上へ射し込む。木洩れ日。
 
なんて素敵な響きでしょう。ほかの言語に翻訳できない、美しい日本語の一つですね。
 
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前回は、さくらの季節にお勧めのチーズをご紹介しました。
 
北海道産のチーズ「さくら」と、イタリア産の「La Rosso」でした。
 
「La Rosso」は山羊のミルクから作られているチーズでしたね。
 
山羊乳チーズは、とくに「春から夏が旬」と言われます。
 
なぜなら山羊の出産シーズンは毎年2月頃なのです。
 
早春に出産を終えた母山羊たちが、みずみずしい青草やハーブを食べて、美味しいミルクを出してくれる季節。
 
チーズも風味豊かに仕上がります。
 

シェーブルチーズ

旬のシェーブル。様々な山羊乳製チーズたち

 

 

フランスでは シェーヴルに始まりシェーヴルに終わる といわれます。シェーブルとは、フランス語で山羊乳製のチーズのことです。 
赤ちゃんには離乳食として(母乳の成分に近いとか)、お年寄りには効率的な栄養補給源として楽しまれています。
 
搾乳量は1日あたり1頭で最大2.5L、牛の1/10以下なので、シェーヴルの生産量はとても少なく、牛乳製のチーズに比べて希少です。
 
春から初夏にかけてシェーヴルがたくさん出回るので、フランス人は市場でシェーヴルを見ると、「春だなぁ~」と感じるそうです。
 
私たちが、フキノトウや筍を見つけたときの感覚と、同じようなものでしょうか
 
シェーブルチーズは、復活祭(イースター 2022年は4月17日)の頃から万聖節(ハロウィーン11月1日)までが、美味しい季節と言われています。
 
今日は、旬の山羊のミルクで造られた、日本のチーズ「みらさかシェーヴル」と、イタリアのチーズ「ロビオラ・ディ・カプラ」をご紹介します。
 
みらさかシェーヴルは、柏の葉で包まれた、柏餅のようなイメージのシェーブルチーズです。
ロビオラ・ディ・カプラは、栗の葉で包まれており、カプラはイタリア語で「山羊」を意味します。
 
「みらさかシェーブル」(右)と「ロビオラ・ディ・カプラ」(左)
右が「みらさかシェーブル」。左が「ロビオラ・ディ・カプラ」
 
 
 
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シェーブルチーズのしつらい
チーズのしつらい
 
旬のチーズで和のしつらい
 
 
 
 
 
もうすぐ五月。端午の節句です。ちまきや柏餅をいただきますね。
この時期、柏の葉や栗の葉、粽、菖蒲など、縁起物や邪気を払うものが好まれますね。
 
幼かった頃、布団の下に菖蒲をしいたり、お風呂に菖蒲と蓬(よもぎ)を浮かべて楽しんだ思い出があります。
いずれも身体に悪い気がつくのを防ぐと信じられています。
 
古くから邪気祓いの力があるとされていた菖蒲と薬草の蓬(よもぎ)を軒に挿すことで、
厄災を祓って穢れを浄化できるとも考えられていたのです。
 
 
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さて
毎月、月末に「旬のチーズと季節のしつらい」を学ぶレッスンを行っています。
美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて、北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。
 
また、
5月24日から6月5日まで、広坂の石川国際交流サロンで「季にあひたる しつらい作品展」を開催します。テーマは「和む」。
日本を表現する「和」には「なごやかなこと」「おだやかなこと」「仲よくすること」の意味があります。
 
しかし
連日のCOVID-19 crisisやロシアのウクライナ軍事侵攻のニュースの「和む」からは ほど遠い映像に 心が痛みます。
世界中の人々が望む「平和」や「調和」の実現を祈り、心をこめて しつらいます。
 
 
 
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6月25日(土)14時~から、チーズを楽しみながら学ぶ「チーズ寺子屋in金澤」セミナー(チーズプロフェッショナル協会北陸幹事主催)を「ITビジネスプラザ武蔵」で開催します。

申込サイトはこちら>> よりお申込みくださいませ。

 

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【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「モリラジ!」出演)】

「さくら」のチーズとしつらい

みなさま こんにちは。

北陸・金沢。殊の外、寒い冬をじっと耐えて、春の訪れを待ちました。ようやく桜の開花のニュースです。

 

日本各地の桜の開花予想日を結んだ「桜前線」は、桜の国、日本の特有の言葉ですね。

金沢は3月末に開花とか。満開は4月5日の予報です。「桜鯛、桜マス、桜餅」など、桜の美しい色が名前になりました。

 

これまでチーズと、季節のお話をさせていただきました。

 

放送後のWEBサイトでは、ご紹介したチーズと季節のしつらいを掲載してまいりました。

季節のしつらいとチーズを組み合わせているのには、理由があります。

 

「チーズには旬がある」のです。

 

季(とき)にあひたる行事と、その旬のチーズを楽しみましょう。

 

まさに今が「旬」のチーズをご紹介します。

北海道は共働学舎のチーズ『さくら』と、イタリアはピエモンテのチーズ『ラ ロッサ』です。

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北海道日高山脈の裾野に広がる十勝平野、新得町(しんとくちょう)にある、「共働学舎(きょうどうがくしゃ)新得(しんとく)農場(のうじょう)」で造られる「さくら」は、桜の花の塩漬けをあしらった、白くてとても可愛い、牛乳製のチーズです。

約2週間の熟成で、クセもなくほんのりと桜の風味が香るさっぱりしたチーズが生まれます。日本茶や抹茶と合わせて楽しめます。

また、お花見のシーンを素敵に演出してくれます。ヨーロッパのチーズコンクールで何度も賞に輝いた、評価の高いチーズです

 

もう一つ、イタリア、ピエモンテでつくられる山羊乳のチーズ「ラ ロッサ」をご紹介します。

こちらは、桜の葉に包まれています。味わいに少し塩味を感じます。チーズ版桜餅、といった感じでしょうか。

このチーズの誕生には、西伊豆産(にしいずさん)オオシマザクラの葉の塩漬けが関わっています。

日本のチーズ専門店「フェルミエ」と、イタリアのコーラ社との共同開発で、試行錯誤の末、誕生しました。

初めの頃は、西伊豆産オオシマザクラの葉の塩漬けをイタリアに送って作っていました。次第にヨーロッパでの人気が高まり、生産量が増え、現在は、ピエモンテ産の桜の葉で包んでいるそうです。

ロゼ等のワインはもちろん、日本酒にもぴったりな風味。赤いリボンで包まれた姿も素敵です。

 

山羊乳チーズは春が旬と言われます。なぜなら山羊の出産シーズンは毎年2月頃なのです。

山羊乳チーズは、「シェーブルタイプ」と分類されます。「シェーブル」とはフランス語で山羊を意味します。

 

シェーブルチーズは、復活祭(イースター 2022年は4月17日)の頃から万聖節(11月1日)までが美味しい季節と言われています。

 

桜の時期とチーズの旬がぴったり合うだけでなく、味わいの相性もばっちりです

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instagramリールでイメージ動画をご覧いただけます>>

 

さて、

5月24日から6月5日まで、広坂の石川国際交流サロンで「季にあひたる しつらい作品展」を開催します。

大正末期に建てられた日本家屋に、和と洋のしつらいをし、皆さまをお迎えします。

ぜひお出かけください。

 

6月には、チーズを楽しみながら学ぶ「チーズ寺子屋in金澤」セミナー(チーズプロフェッショナル協会北陸幹事主催)を「ITビジネスプラザ武蔵」で開催します。
6月25日(土)14時~の予定です。申込サイトは準備出来次第ご案内します。

お問い合わせくださいませ。

 

【アーカイブ(MRO北陸放送ラジオ「モリラジ!」出演)】

 
 

「立春」のチーズとしつらい 「桃の節句」のチーズ

みなさま こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
 
もうすぐ 春ですね。
 
雪国に暮らす私たちは、春の訪れを毎年 心待ちにします。
 
みなさまは、どんな瞬間に春を感じられるのでしょう。
 
私は、暦に「立春」の二文字を見つけると 何だか ほっとします。
本物の春は まだまだですのにね。
 
「兼六園の梅が咲き始めました」とのニュースに、兼六園に足を運ぶ方も多いでしょうね。
 
兼六園の梅林には、全国から約20種200本の梅が植栽されているそうです。
 
「風にのって 梅の花の香りが 漂ってくると春を感じる」と素敵な瞬間をお待ちの方もいらっしゃいます。
 
「デパートに雛人形が飾られると、家もおひなさまを出さなくちゃ」と、春を感じる方もいらっしゃいます。
 
こんな風に季(とき)にあひたる行事を、世代と共に楽しむのは素敵ですね。
 
ところで、第1回で紹介したチーズ「雪華」ですが、実はチーズにも旬(しゅん)があるのです。
 
今回は皆様のすてきな春の瞬間に思いを馳せながら、桃の節句にふさわしい、桃色の美しいチーズを、今月のチーズとしてご紹介します。
 
「アフィネ オ シャンパーニュ ロゼ チーズ」
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外観は、ケーキのような、ひと際 目立つ美しいチーズです。
このチーズはフランスのシャンパーニュ地方で作られたウォッシュタイプのチーズです。
シャンパーニュ地方は、フランス唯一、シャンパンと名のることができるシャンパン生産地として、誇りを持っていることは、有名ですね。
この地方で作られたシャンパン ロゼで、チーズをひとつひとつ丁寧に洗い、熟成させています。何とも贅沢なチーズですが、春のよろこびを表現するにふさわしいと選び、ご紹介します。
 
このチーズのベースは「ラングル」と呼ばれるチーズです。
マイルドな味わいは、チーズ初心者の方でも食べやすいと思います。
このチーズの楽しみ方も、ご紹介しますね。
まずは一口、そのままで、淡く香るシャンパンの風味と、クリーミーな優しいくちどけを楽しみます。
ワインやドライフルーツ、バゲットとあわせるとおしゃれです。
チーズは、一般的に、冷蔵庫から出したら、少し常温に戻して、トロトロになる頃にいただくのが お勧めです。
 
毎月、月末に「旬のチーズと季節のしつらい」を学ぶレッスンを行っています。
美味しく、美しく、チーズをアレンジし、食を通じて、北陸・金沢の暮らしのしつらい、テーブルコーディネートを実践しています。
 
 
【立春のチーズプラトー】
 
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【桃の節句のチーズプラトー】
 
 
 
6月には、チーズを楽しみながら学ぶ「チーズ寺子屋in金澤」セミナー(チーズプロフェッショナル協会北陸幹事主催)を「ITビジネスプラザ武蔵」で開催します。6月25日(土)14時~の予定です。申込サイトは準備出来次第ご案内します。
お問い合わせくださいませ。
 
 
 
 

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「雪」の季節のチーズとしつらい

《雪降る夜に》

雪は結晶の形から、花にたとえられ、雪花 六華(むつのはな)とも言われます。

真っ白な雪は、積もっては消えゆく儚さから、月や桜と共に「雪月花」と呼ばれ、日本人独特の自然観を形成してきました。

金沢に暮らす人々は、昔から雪を楽しむ工夫をしています。

 

雪見障子。雪見灯篭。雪見酒。

各家の小さな庭の雪吊り。

静かな夜、時折、木々の葉から落ちる「雪の声」を聴きながら、芸事に精進したり、工芸の技を磨いたり。

 

ぼたん雪。細雪。なごり雪。風雅な呼び方も、日本人が作り上げてきたのです。

 

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『二世古 雪花【sekka】ドライフルーツ【ニセコチーズ工房】(北海道)』

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明るい橙色や檸檬色をしたドライフルーツが細かく刻まれ、クリームチーズの周りにまぶしてある、濃厚で、爽やかな酸味があるフレッシュチーズです。

見た目は宝石のようです。 味は、ほんのり酸味がありチーズケーキのように甘く濃厚ですが、チーズらしい塩味もあり、

お茶はもちろん、お酒にもよく合います。

そのままスイーツとしても、楽しめるチーズです。かわいい外観は、プレゼントにも喜ばれます。

 

 

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