チーズ検定合格講座(第1回 確認テスト 解説)
確認テスト
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イギリス生まれで南北米・豪州など各国で造られているチーズは何ですか?
1.ゴーダ 2.ブリ 3.チェダー 4.スティルトン
《解説》イギリス生まれで、南北アメリカやオーストラリアなど各国で製造されているチーズとして最も有名なのは「チェダーチーズ(Cheddar Cheese)」です。
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プロセスチーズに必ず入っている食品添加物は何ですか?
1.保存料 2.凝固剤 3.安定剤 4.乳化剤
《解説》プロセスチーズには、必ず「乳化剤」が食品添加物として使用されています。乳化剤は、異なる種類のチーズを均一に混ぜ合わせるために使用され、滑らかな食感と長期間の保存性を持たせるために重要です。
プロセスチーズは、ナチュラルチーズを一度溶かし、再び固める過程で作られるため、この乳化剤が欠かせない成分となっています。
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ナチュラルチーズの7つのタイプ別分類に該当しないものはどれですか?
1.ウォッシュタイプ 2.セミハードタイプ 3.シェーヴルタイプ 4.シュレッドタイプ
《解説》チーズプロフェッショナル協会(C.P.A.:Cheese Professional Association)が定義するナチュラルチーズの7つの分類は、以下の通りです。これらの分類は、チーズの製造方法や熟成方法に基づいています。
1. フレッシュチーズ(Fresh Cheese)
特徴: 熟成させずに作られるため、さわやかで軽い風味を持ちます。水分が多く、柔らかい食感。
例: モッツァレラ、リコッタ、カッテージチーズ、クレームチーズ。
2. 白カビチーズ(White Mold Cheese)
特徴: 表面に白カビを生やして熟成させたチーズ。内部はクリーミーで、カビの風味が豊か。
例: カマンベール、ブリ。
3. 青カビチーズ(Blue Cheese)
特徴: チーズの内部に青カビを繁殖させたもの。独特の強い風味と塩味を持つ。
例: ロックフォール、ゴルゴンゾーラ、スティルトン。
4. ウォッシュチーズ(Washed Rind Cheese)
特徴: 表面を塩水やアルコールで洗いながら熟成させるため、強い香りと風味を持ちます。外皮は湿っていて、色が濃いことが多い。
例: リンバーガー、マンステール、エポワス。
5. シェーブルチーズ(Goat Cheese)
特徴: 山羊乳を使用して作られるチーズ。独特の酸味と香りが特徴。
例: クロタン・ド・シャビニョール、サント・モール・ド・トゥーレーヌ。
6. セミハードチーズ(Semi-Hard Cheese)
特徴: ある程度の硬さを持ち、風味が中程度。カットしやすく、料理にも使いやすい。
例: ゴーダ、エダム、ハバティ。
7. ハードチーズ(Hard Cheese)
特徴: 長期間熟成させることで、しっかりとした硬さと濃厚な風味を持つ。水分が少なく、硬い食感。
例: チェダー、パルミジャーノ・レッジャーノ、グリュイエール。
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チーズが中東から西(ヨーロッパ方面)に向って伝わった順路として正しいものは?
1.メソポタミア → ギリシャ → ドイツ → イタリア
2.メソポタミア → ギリシャ → イタリア → フランス
3.メソポタミア → エジプト → イタリア → ギリシャ
4.メソポタミア → インド → 中国 → 日本
《解説》チーズは中東からエジプト、ギリシャ、トルコを経て、ローマ帝国を通じてヨーロッパ全土に広がりました。この過程で、各地の風土や文化に応じた多様なチーズが発展し、今日の豊かなチーズ文化が形成されました。
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古代ギリシャ時代に生まれ、現在もギリシャで産するチーズは何ですか?
1.フェタ 2.パルメザン 3.カマンベール 4.シャヴィニョル
《解説》古代ギリシャ時代に生まれ、現在もギリシャで生産されているチーズは「フェタチーズ(Feta Cheese)」です。フェタチーズは、ギリシャで最も有名なチーズの一つであり、古代からの長い歴史を持っています。主に羊乳または羊乳とヤギ乳の混合で作られます。
フェタチーズは、古代ギリシャ時代から存在し、ギリシャの食文化の一部として広く利用されてきました。古代ギリシャの詩人ホメロスの『オデュッセイア』でも、フェタチーズに関連する記述が見られます。フェタという名前自体は、17世紀に初めて使用されたとされていますが、チーズそのものの歴史はそれよりも遥かに古いです。
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乳が固まった状態を何といいますか?
1.レンネット 2.モールド 3.カード 4.ホエイ
《解説》乳が固まった状態を「カード」と呼びます。カードは、牛乳やその他の乳が凝乳酵素(レンネット)や酸(酢酸やレモン汁など)を加えることで固形物と液体に分離した際の固形部分です。この固形物が、チーズの製造過程の初期段階において重要な役割を果たします。
具体的なプロセスは以下の通りです:
乳の加熱と凝固剤の添加
牛乳を適温まで加熱し、凝固剤(通常はレンネット)を加えます。
凝固
凝固剤が乳タンパク質(カゼイン)を凝固させ、固形物(カード)と液体(ホエー)に分離します。
カードの切断と排出
カードを切り分け、さらにホエーを排出するためにかき混ぜます。これによりカードの粒が小さくなり、水分が減少します。
カードの調理と形成
カードを加熱し、特定の温度で保ち、さらに水分を排出します。その後、カードを成形してチーズの形にします。
このように、カードはチーズの製造過程で非常に重要な役割を果たし、多くの異なる種類のチーズの基礎となります。
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モッツァレラの名前の由来となったものは何ですか?
1.溶けて伸びる 2.引きちぎる 3.練ってのばす 4.スライスする
《解説》モッツァレラという名前の由来は、イタリア語の動詞「mozzare」に由来します。「mozzare」とは「切る」または「ちぎる」という意味です。この名前は、モッツァレラチーズの伝統的な製造方法に関連しています。
モッツァレラの製造過程
カードの形成: 牛乳や水牛の乳を温めて凝乳酵素を加え、カード(固形物)とホエー(液体)に分離させます。
カードのカット: カードを細かく切り分け、ホエーを排出します。
ストレッチングとモッツァーレ: 切り分けたカードを熱湯に浸して柔らかくし、伸ばして練ります。この過程でカードを繰り返し引き伸ばして滑らかにし、最後に「mozzare(切り取る)」動作で手でちぎって形成します。
この「切り取る」動作が「mozzare」という言葉に由来しており、そこから「モッツァレラ」という名前が付けられました。
モッツァレラはイタリア南部、特にカンパニア州でよく作られています。 伝統的には水牛の乳で作られる「モッツァレラ・ディ・ブーファラ」が有名ですが、現在では牛乳を使った「モッツァレラ・ヴァッカ」も一般的です。
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白カビチーズの白カビはどのようにしてできますか?
1.塩水で洗う 2.よくこする 3.地酒でふく 4.カビの胞子を吹付
《解説》白カビチーズの白カビ(主にPenicillium candidumやPenicillium camemberti)は、製造過程で意図的にチーズの表面に接種されます。その方法の一つに噴霧(スプレー)があります。
カビの接種方法には
噴霧(スプレー): 培養された白カビを水や塩水に混ぜ、その溶液をチーズの表面に噴霧します。これにより、白カビが均一にチーズの表面に広がります。
浸漬: チーズを白カビの培養液に浸して接種する方法もあります。
塗布: カビの培養液をチーズの表面に手作業で塗布することもあります。
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牛乳について述べた文で間違っているのはどれですか?
1.牛乳にはほとんど炭水化物(糖分)が含まれていない。
2.牛乳に含まれるカルシウムは他の食品中のカルシウムに比べて消化吸収率が高い。
3.牛乳中のたんぱく質は必須アミノ酸を含む19種類のアミノ酸がバランスよく構成されている。
4.牛乳にはさまざまな成分が良く含まれており「完全栄養食品」ともいわれている
《解説》実際には、牛乳には糖分が含まれています。牛乳には乳糖(ラクトース)という糖分が含まれており、これが主な炭水化物の源です。温めたミルクはほんのり甘みを感じますね。したがって、「牛乳にはほとんど炭水化物(糖分)が含まれていない」という説明は間違っています。